相棒と呼べるもの
10年以上使っているもの、何かあるかなと部屋を見回してみたけれど、すぐには見つからなかった。10年前の私は学生。その後実家を出て、結婚し、子どもが産まれて、それでも手元に残したもの…あれだ！と、思い出したものがこちら。
どちらのことだ？という写真だが、楽器の方。大学時代に親が買ってくれた、YAMAHAのテナーサックス。ちなみに、中学時代の吹奏楽部で使っていたものと同じモデル。吹奏感が好きなのだ。大学でも吹奏楽を続けるつもりだったが、諸般の事情で辞めてしまい、それからは細々と吹いている。社会人楽団に所属していた時期もあったが、それも辞めてしまった。今は吹きたい時に吹く、という感じだ。
楽器を吹いている間は、昨日言われたちょっとモヤモヤした言葉や、明日待ち構えている少し気が重い仕事のことを忘れられる。私は特に、音を伸ばすロングトーンが好きだ。息を吸い、吹き始めの頭の音を丁寧に出し、音が揺れないよう保持し、吹き終わりを綺麗に処理。感覚を研ぎ澄ませ、楽器のことだけに集中する。心を整えるのに一番良い。
日常的に吹いているとはもう言えないけれど、10年以上愛用していれば、それはもう相棒と呼べるのではないだろうか。向こうがどう思っているかは知らないが、私は相棒だと思っている。スマートフォンは2年使えば新しい機種に心惹かれるけれど、テナーサックスはまだまだ手放すつもりはない。相棒、これからもよろしく。
追記
テナーサックスより存在感を放っている子は「おのぼりたん」という。この子はまだお迎えして10年経っていないので、今回は相棒枠に入れられなかった。残念。
